最近、骨盤底筋に関する商品や情報が一気に増えてきました。
「鍛えるだけで体幹が安定する」「電気刺激で簡単にケアできる」といった言葉もよく見かけます。
しかし、骨盤底筋は単純に“鍛えればよい”という性質の筋肉ではありません。
むしろ、誤った理解のままトレーニングを続けると、
「力が入りすぎて硬くなる」「姿勢が崩れる」「呼吸が浅くなる」など、逆効果になることもあります。
そこで本記事では、ひめトレの基本となる
“骨盤底筋を正しく理解するための3つの視点”
をわかりやすく解説します。
これを知るだけで、あなたの体幹ケアの質が大きく変わります。

骨盤底筋は、骨盤の底にハンモックのように広がる筋肉の集まりです。
その役割は大きく3つあります。

骨盤底筋は、お腹の中の臓器を下から支えています。
ゆるむと内臓が下がり、姿勢が崩れたり、腰の不調につながりやすくなります。

尿や便を排泄のタイミングで調節するのも骨盤底筋の重要な仕事です。
ここでは「強い力で締める」よりも、必要な時に必要なだけ働けることが大切。

立つ・座る・歩くといった日常動作のすべてに関わります。骨盤底筋は腹横筋や横隔膜などと連動し、体幹の“底面”として支えています。
この3つの役割から分かるのは、
骨盤底筋には「力任せに鍛える」という方向性は合わない
ということです。
必要なのは、“使うべき時に自然に使える状態”を作ることなのです。
骨盤底筋が難しいとされる理由のひとつに、
「目で見えない」「触れない」 という特徴があります。
そのため、
「本当に動いているのか分からない」
「力の入れ方が正しいのか判断できない」
という人がとても多いのです。
では、どうすれば正しく使えるようになるのでしょうか?
鍵になるのが、
身体内部の“小さな変化を感じ取る力=感覚入力”
骨盤底筋は、電気刺激で「動かされる」だけでは、使い方を学習するための“感覚のフィードバック”が得られにくい筋肉です。
一方で、呼吸や姿勢の調整を通じて自分で動かすと、身体の内部で起こる微細な変化が感じられるようになり、「使える状態」へと育っていきます。
これは、単なる運動ではなく 身体の学習プロセス といえます。
骨盤底筋を語る上で欠かせないのが、呼吸との関係です。
実は、
骨盤底筋は呼吸に合わせて連動して動く
という特徴があります。
息を吸うと、横隔膜が下がり、骨盤底筋もゆるやかに下がります。
息を吐くと、横隔膜が上がり、骨盤底筋も自然に引き締まります。
つまり、
呼吸が乱れる → 骨盤底筋も適切に働かない
という関係です。
ひめトレが「呼吸 × 姿勢 × 骨盤底筋」の連動を重視しているのはこのためです。
正しい呼吸を通じて骨盤底筋が“自然と動き出す”状態をつくることこそ、体幹ケアの本質なのです。
骨盤底筋のトレーニングで最も多い失敗が、
「締めようと力みすぎる」こと。
これにより…
お尻に力が入る
太ももが固まる
呼吸が止まる
下腹が膨らむ
といった、望ましくない反応が起こります。
こうした状態が続くと、骨盤底筋本来の“しなやかな動き”が失われ、むしろ機能低下につながることさえあります。
骨盤底筋ケアの本当のゴールは、
頑張らなくても、自動的に働く状態にすること
正しく感覚が入れば、骨盤底筋は“使おうと意識しなくても”日常の中で自然に働きます。
骨盤底筋は、鍛えれば強くなるという筋肉ではありません。
呼吸
姿勢
感覚の入力
身体の連動性
これらを整えることで、自動(=自らによる主導)的アプローチによって働く筋肉へと変わっていくのです。
この視点を持つことが、あなたの身体を確実に変えていきます。
次回の記事では、ひめトレがサポートする「感覚入力」について詳しく解説します。