骨盤底筋は呼吸とつながっている〜正しい呼吸が、なぜ体幹を変えるのか

体幹を整えたいのに、なぜ「呼吸」が大切なのか?

体幹トレーニングというと、

  • お腹を鍛える
  • 体を安定させる
  • インナーマッスルを使う

といったイメージを持つ方が多いかもしれません。

しかし、体幹を本当に安定させているのは、
力んだ筋肉ではなく、呼吸と連動して働く“協調した筋肉のチーム”です。

その中心にあるのが、骨盤底筋と呼吸の関係です。

骨盤底筋と呼吸は「上下で連動する仕組み」を持っている

私たちの体幹の内部には、いわば筒状の空間があります。

上:横隔膜

下:骨盤底筋

周囲:腹横筋・多裂筋など

この上下の“フタ”のような存在が、呼吸に合わせて同調して動くことで、体幹は安定します。

 呼吸の動きと骨盤底筋

息を吸う
→ 横隔膜が下がる
→ 骨盤底筋もわずかに下がる

息を吐く
→ 横隔膜が上がる
→ 骨盤底筋も自然に引き上がる

つまり、

正しい呼吸ができていれば、骨盤底筋は“自動的に”働くという仕組みになっているのです。

呼吸が乱れると、骨盤底筋も働けなくなる

ところが、現代人の多くは呼吸が浅くなっています。

  • 胸だけで呼吸している
  • お腹や背中がほとんど動かない
  • 呼吸とともに体が固まる

こうした状態では、横隔膜が十分に動かず、
それに連動する骨盤底筋も本来の動きを失ってしまいます。

結果として、

  • 体幹が不安定になる
  • 姿勢が崩れやすい
  • お腹に力を入れていないと不安
  • 動作のたびに力む

といった状態に陥りやすくなります。

「お腹に力を入れる」ほど、体幹は不安定になることも

体幹を安定させようとして、

  • 常にお腹を締める
  • 骨盤底を意識して力を入れ続ける

という方も少なくありません。

しかし、これでは呼吸の動きが制限され、体幹はかえって固まってしまいます。

体幹に必要なのは、

力を入れ続けること
ではなく
呼吸に合わせて、必要なときに自然に働くこと

です。

この“自然な連動”こそが、本当に安定した体幹をつくります。

骨盤底筋は「頑張って鍛える」のではなく、「呼吸とともに連動する」ことが理想的な筋肉です

正しい呼吸は「体幹トレーニング」そのもの

正しい呼吸が身につくと、体の中では次のような変化が起こります。

  • 骨盤底筋が自動的に上下する
  • お腹・背中・骨盤が一体となって動く
  • 無意識でも体幹が支えられる
  • 姿勢を「保とう」としなくても整う

つまり、

正しい呼吸=体幹を鍛えている状態

と言い換えることができます。

これは、
筋トレ的な「頑張る体幹」ではなく、日常動作で使える体幹です。

ひめトレが「呼吸」を大切にしている理由

ひめトレは、単に骨盤底筋を刺激する器具ではありません。

呼吸・姿勢・感覚入力を同時に整えるためのツール

です。

ひめトレの上に座ることで、

  • 骨盤の位置が自然に整う
  • 骨盤底にやさしい感覚入力が入る
  • 呼吸に合わせた上下動を感じやすくなる

結果として、

✔ 骨盤底筋が“意識しなくても”呼吸と連動し始める

この状態こそが、ひめトレが目指している体幹ケアのスタート地点です。

呼吸とつながった骨盤底筋は、日常を変えていく

呼吸と骨盤底筋の連動が回復すると、体は次第に変わっていきます。

  • 立っているのが楽になる
  • 座っても疲れにくい
  • 姿勢を意識しなくても崩れにくい
  • 動作が安定する
  • 呼吸が深く、楽になる

これらはすべて、「正しい呼吸が、体幹全体を支えている」証拠です。

まとめ:体幹を変えたいなら、まず呼吸から

骨盤底筋は、単独で鍛える筋肉ではありません。

  • 呼吸
  • 姿勢
  • 感覚入力

これらと連動してはじめて、本来の機能を発揮する筋肉です。

だからこそ、体幹を整えたいなら、「まず呼吸を整える」ことが、最短ルート

ひめトレは、
この呼吸と骨盤底筋のつながりを無理なく、日常の中で取り戻すためのツールです。

次の記事では、
「頑張るほど固まる」骨盤底筋トレーニングの落とし穴と、
自動的(自ら主体的)に働く体をつくる考え方について解説していきます。