骨盤底筋ケアで痛みが出るのはなぜ? 安全に続けるために、必ず知っておいてほしいこと

――「安全そう」だからではなく、「正しく扱う」ことが大切です

骨盤底筋ケアで「痛みが出た」という声は、実際にあります

「骨盤底筋トレーニングを始めたら、違和感が出た」
「下腹部や会陰部が痛くなった気がする」
「これって続けて大丈夫なの?」

こうした不安から、このページにたどり着いた方も多いと思います。

まず大前提としてお伝えしたいのは、

ひめトレは“魔法のように誰にでも完全に安全”なものではありません。

正しく使えばとても穏やかで有効なツールですが、
使用を控えるべきケース・注意すべき状態が明確に存在します。

これは、
安易に広めるためではなく、
身体を守り、長く使っていただくために設けられている大切な基準です。

盤底筋ケアで痛みが出やすい主な理由

原因①「頑張りすぎ・力を入れすぎ」

骨盤底筋は、
強く締め続ける筋肉ではありません。

  • 効かせようとして力を入れる
  • 長時間我慢する
  • 回数を増やす

こうした行為は、
骨盤底筋を守るための防御反応=緊張や痛みを引き起こします。

痛みは「効いているサイン」ではなく、
身体がブレーキをかけているサインです。

原因② 呼吸が止まり、体幹が固まっている

骨盤底筋は呼吸と連動する筋肉です。

  • 息を止めている
  • 肩やお腹に力が入っている
  • 全身が緊張している

この状態では、体幹内の圧が逃げず、
負担が一点に集中しやすくなります。

原因③ 本来「使用を控えるべき状態」で行っている

ここがとても重要なポイントです。

痛みや違和感の中には、
トレーニング以前に「使ってはいけない状態」であるケースがあります。

■ ひめトレの「禁忌(使用を控えるべきケース)」

以下に該当する場合は、
自己判断での使用は控えるか、必ず医師・専門家に相談してください。

使用を控えるべき主なケース

妊娠中の方
→ 子宮収縮や会陰部の充血を引き起こす恐れがあります。

悪性腫瘍・がんがある方
→ 運動全般における要注意事項です。

開放創(皮膚の開いた傷)や縫合部がある方
→ 痛みのほか、感染や悪化のリスクがあります。

全身または局所的な感染がある場合

強い痛み・熱感・腫れがある場合
→ 他の疾患が原因の可能性があります。

特定の症状がある場合

  • 生理痛
  • 排尿痛・排便痛
  • 性交痛
  • 肛門疾患
  • 前立腺肥大症
  • 会陰部の皮膚疾患
  • 急性期のケガ
  • 捻挫・骨折・打撲・肉離れなど、炎症が強い時期

高体温・高血圧・知覚異常がある場合
→ ストレッチ全般に共通する注意点です。

これらはすべて、
骨盤底筋に過度な負担がかかったり、症状を悪化させる可能性があるため
使用を控えるか十分な注意が必要です。

電気刺激でも「安全が保証されるわけではない」

「自分で動かさない電気刺激のほうが安全では?」
と感じる方もいます。

しかし、電気刺激にも別のリスクがあります。

  • 自分の感覚で強度を判断しにくい
  • 違和感に気づくのが遅れやすい
  • 「効いている=強くしていい」と誤解しやすい

つまり、
“安全かどうかを身体で確認しにくい”
という側面があります。

安全性は、
刺激の種類ではなく
「自分の身体の反応を把握できるかどうか」
で決まります。

ひめトレを安全に使うための基本ポイント

ひめトレを使用する際は、次の点を必ず守ってください。

使用時の注意点

  • 痛みのない「中心」を探して座る
  • 上半身のストレッチで緊張をゆるめてから行う
  • 呼吸が自然にできているかを確認する
  • 強い痛み・違和感が出たらすぐ中止する
  • 「効かせよう」としない

そして何より大切なのは、

不調があるときは、自己判断しないこと

医師・理学療法士・トレーナーなど、
専門家に相談することが最優先です。

まとめ:安全とは「無条件」ではなく「正しく選び、正しく使うこと」

ひめトレは、
骨盤底筋群を穏やかにサポートできるツールです。

しかし、

誰にでも

どんな状態でも

何をしても安全

というものではありません。

安全とは、

身体の状態を尊重し、
無理をしない判断ができること。

それを前提として使われてこそ、
ひめトレは本来の価値を発揮します。

不安があるときほど、
「無理に続けない」という選択をしてください。

それが、
長く、安心して身体と向き合うための
一番の近道です。