ジュニアアスリート育成にも体幹ケア【愛知県尾張旭市】

体幹ケアは老若男女誰にでも必要な体のコンディショニングの考え方です。

一般の方の健康維持はもちろん、トップアスリートになればなるほど体幹ケアを取り入れています。

将来のトップアスリートを目指すジュニアアスリートの世界でも、運動指導に体幹ケアを取り入れているケースが増えてきました。

今回は、愛知県尾張旭市を中心に活動している、岡田廉邦さんを取材しました。(2022年7月取材)

生徒たちが追いかけっこのような遊びをしています。これは何でしょうか? 正解は「フラッグ鬼ごっこ」といいます。腰につけたフラッグを時間内で奪いあうゲームです。

今度はストレッチポール®の上で立ったり、スクワットを行っています。この子たちはどのような集まりでしょうか?

この運動教室「(一社)フィジカルエクスプレッション協会スポーツアカデミー」を主宰する岡田康邦さんです。

(一財)日本コアコンディショニング協会(JCCA)マスタートレーナー・B級講師。

(一社)フィジカルエクスプレッション協会認定姿勢エバンジェリストなどの資格を持ち、幅広い視点で運動指導を行っています。

今日の会場に、岡田さんがやってきました。生徒よりいち早く到着し掃除などをして会場の支度を整えます。生徒たちもマイストレッチポールを持参して集まってきました。

ウォーミングアップの一環でストレッチポールの基本的な使い方「ベーシックセブン」を行います。みんなの前に立ってインストラクションをしているのは小学6年生の男の子です。

生徒たちがペアになってお互いの姿勢チェック。「右の肩のほうが…」「骨盤が…」などの声が飛び交います。岡田さんの指導により、このような姿勢の評価の仕方は参加者全員が行うことができます。

「生徒たちの自立心を育んでいる」と岡田さんはいいます。自分たちで状況判断でき、何を必要としているかを考えられるようになってほしいとのこと。どのような競技でも、試合になると運動指導者は逐一アドバイスすることができません。それぞれ自分で判断できるように、との考えが基本です。

ストレッチポール ハーフカットを使用した「体の軸づくり」の指導。人間は回旋動作によってパワーを引き出します。質の良い回旋ができるようになるには、このような軸作りが欠かせません。

岡田さんの教室は、多量の汗をかくような激しい運動というよりも、静かな、しかし「人体の基本」にのっとった指導を行っているように感じられました。

今度はバランスボールの上で立った状態で、生徒の専門競技に近い動きを行っています。

こちらの生徒さんは砲丸投げの選手ということで、スローイングの動きを確かめていました。

実際はバランスボールの上に立つだけでも簡単にできることではありません。この教室の皆さんは高レベルな体幹の状態を築き上げていると感じられました。

夏の宵闇の中、会場の光が外まで煌々と照らしています。生徒たちは、JCCAの開発した「コアキッズ体操」をベースにした、体幹と四肢の運動を行っています。

冒頭に紹介した「フラッグ鬼ごっこ」を行い、今日の教室は最終版を迎えます。クールダウンとしてもう一度ベーシックセブンを行います。

この日、拝見させていただいた練習メニューはあくまでも一例。岡田さんは日によって豊富な運動メニューのなかから組み合わせて行っているそうです。

参加者の方にお話を聞きました。ベーシックセブンをみんなの前で誘導していた生徒の加藤さんは、実はジュニアゴルフ界のトップ選手。

取材時は小学6年生でしたが、その後中学でも活躍し、中学2年生ながらレギュラーツアーにも参加しています。

「試合中に自分で調整できるようになりました。最初はストレッチポールの難しい運動もできなかったけど、長く続けるうちに完璧にできるようになりました」。

体幹などの成長に伴い、競技力も向上しているように思われました。

もう一人、プロゴルファーを目指す寺町さん。この方も中学生になって世界中を舞台に活躍しています。

「ベーシックセブンなどは家でも行っています。試合中に姿勢や体の歪みを調整することもできるようになりました」と語ってくれました。

「時間がかかっても、関わらせていただいた生徒たちの変化、成長が見られることに喜びと責任を感じています」と岡田さんは語ります。

運動教室ではもっと幼い世代の子から高校生まで、目的等によって様々なクラスを開催しています。

岡田さんの24時間365日は、まさにキッズ・ジュニア世代の成長のために注がれています。

このような指導者の方が身近にいる、尾張旭市の皆さんが少々(かなり)うらやましく思われました。

岡田さんのスポーツアカデミーは こちら