出産後、
という悩みを抱えていませんか?
実は産後の尿漏れは珍しいことではありません。妊娠・出産は骨盤底筋群に大きな負担となるため、多くの女性が尿漏れを経験します。
この記事では、産後の尿漏れが起こる原因と改善方法について解説します。

この記事の監修
堀田 久美
助産師 / 東京大学大学院博士課程修了

妊娠中、骨盤底筋は赤ちゃんや羊水、胎盤の重みを支え続け、長期間にわたり負担を負っています。ため、また、大きくなった子宮による膀胱の圧迫」や「ホルモンバランスの変化による筋肉の緩み」もあり、妊娠中から尿漏れが起こる方は少なくありません。
出産時には赤ちゃんは産道を通り抜けて出てきます。
その過程で骨盤底筋や靭帯は大きく引き伸ばされるため、、ダメージを受けることがあります。また、赤ちゃんの頭で圧迫されて、産道周囲に大きな血腫(ちまめ)ができたり、神経が麻痺してしまうこともあります。
赤ちゃんが大きい場合やお産が長引いた場合、器械分娩(吸引分娩や鉗子分娩)だった場合には骨盤底筋のダメージが大きくなることがあります。
器械分娩は、赤ちゃんの命を守るためにやむを得ない場合もあるのですが、自然分娩よりも強い力で赤ちゃんを引っり出すため、骨盤底筋にはダメージが起こりやすくなります。
また産後は、会陰切開による痛みや違和感への恐怖から、骨盤底筋をうまく使えなくなることもあります。
多くの場合、産後3〜6ヶ月頃までに改善していくとされています。これは出産によってダメージを受けた神経や筋肉が徐々に回復するためです。
産後の尿漏れは自然に改善することも少なくありません。しかし、半年以上続く場合や日常生活に支障がある場合は、一度専門医へ相談することをおすすめします。
多くの産後尿漏れは、神経の伝達が回復する3ヶ月から半年以内に自然に改善します。しかし、産後には尿漏れが一旦治っても、女性ホルモンが急激に減少し、更年期をすぎた頃に再び尿失禁が起こることがあります。
適切なケアを行わずに放置すると、筋肉が衰える閉経前後に尿漏れが再発する可能性が高くなります。出産を経験した女性は、将来の尿漏れに備えて適切なケアを継続していくことが望まれる。

出産直後は身体を回復させることが最優先です。眠らなくても良いのでできるだけ横になって過ごすことが大切です。
身体を起こしているだけでも内臓の重みが骨盤底筋にかかるため、回復を優先しましょう。
会陰切開の傷跡は、組織が硬くなり、つっぱり感や痛みを感じることがあります。1ヶ月健診で許可が出てから、傷口を優しく揉んだり皮膚を引っ張ったりするマッサージを行うと、硬さが残りにくくなります。
まずは深い呼吸から始めましょう。呼吸によって横隔膜や体幹機能が整いやすくなります。
骨盤底筋を適切に収縮させる練習を行います。骨盤底筋のトレーニング方法として最も広く知れ渡っているのがケーゲル体操です。1940年代後半にアメリカで考案され、開発者の産婦人科医の名前からこのように呼ばれています。
この体操はいろいろな姿勢で骨盤底筋を意識して動かすことで鍛えようとするものです。世界中で普及しているこの方法をわかりやすくお伝えしますので、ぜひ試してみてください。
ケーゲル体操を行う時に一番大切なポイントは、骨盤底筋を意識して動かすことです。股間部の中にある骨盤底筋を意識することが難しい方は、清潔な指を膣内に挿入するなどして、骨盤底筋を動かす感覚をつかむことが大切です。
【意識する方法】
座面のかたい椅子に座ります。まずは座った時のおしりの感覚を感じます。次に手をお尻の下に置き、座りなおします。この時におしりの穴を締めます。手に動く感覚が感じられればそのあたりが骨盤底筋群です。エクササイズの時にはこの部分の筋肉を意識して動かしましょう。ティッシュペーパーを箱からつまんで引き上げる感じでおこなってください。また、おしりの横にある筋肉や肩に力が入らないような小さな力で充分です。骨盤底筋以外に力が入らないように意識しましょう。
⚠️骨盤底筋体操の誤ったやり方に注意
頑張りすぎると逆に腹圧が高まり、骨盤底へ負担をかけることがあります。強く力む必要はありません。
お尻の穴を軽く締めるような小さな動きで十分です。逆に息を止めて踏ん張るような動作は逆効果になることがあります。
授乳や抱っこで猫背になりやすいため、日頃から姿勢を意識しましょう。
産後ケアは短期間で結果を求めるよりも、継続することが大切です。
骨盤底筋を意識しにくい方には、サポートツールを活用する方法もあります。ひめトレは椅子に座ったまま使用できる体幹ケアツールです。骨盤底筋を意識しやすくし、日常生活の中で無理なくケアを続けるサポートになります。

育児で忙しいママでも取り入れやすい点が特徴です。
産後の尿漏れは多くの女性が経験する悩みです。しかし、「仕方ない」と諦める必要はありません。
まずは身体をしっかり休ませ、呼吸や骨盤底筋ケアを少しずつ取り入れていきましょう。無理なく続けられる方法を選ぶことが、改善への第一歩になります。